「第二回 激闘!ラップ甲子園 FINAL TOURNAMENT」レポート – ウィゴー公式サイト|ウェブマガジン「WEGO.jp」   
「第二回 激闘!ラップ甲子園 FINAL TOURNAMENT」レポート
「第二回 激闘!ラップ甲子園 FINAL TOURNAMENT」レポート

 

TV番組にて放送された、『フリースタイルダンジョン』やK-POPアーティストたちの楽曲に見られるRAPパート起用をきっかけに、日本でもMCバトル、RAP文化がお茶の間でも認知されだした。RAPHIPHOP MUSICと呼ばれるジャンルが日常の音楽として"当たり前"になっている昨今、その文化は若年層へも強い影響力を持つようになり、ティーンエイジャーたちの作り出すRAPシーンにも大きな注目が集まるようになってきた。

 

そんな中、202288日、日本一の10代ラッパーを決めるバトル「第2回 激闘!ラップ甲子園 FINAL TOURNAMENT」が川崎のクラブチッタにて開催された。

 

全国5カ所で行われたオーディションを通過した16名が参加。今回特筆すべきなのは中学生ラッパーが2名、女子高生ラッパーが1名決勝に残っている事。多様化が進む世の中にあって、性別や年齢差など関係の無い熱いバトルがトーナメント方式で繰り広げられた。

 

フレッシュさ溢れる熱戦の連続であったが、特に印象の強かった試合を、筆者の独断と偏見で数試合紹介したい。

 

1st Round 第一試合 Sirogaras vs nover

前回大会BEST 4、優勝候補の一角と前評判の高いSirogarasnoverの戦い。先行のnoverが勢いのあるスタイルでパンチラインの応酬で攻め立てる。対するSirogarasは多彩なフロウで刺し返す。中盤まではガップリ四つ、もしくはnoverが押しているかのようにも見えたが最終バースでのSirogarasの返しは圧巻。「見た目」への指摘に対して本質の中身で勝負したSirogarasに軍配が上がった。第一試合から凄まじいバトルに会場の盛り上がりは一気に最高潮に。

 

 

1st Round 第四試合 MC知葉瑠 vs Chance

注目の中学生ラッパーMC知葉瑠が登場。対戦するのは前回大会BEST4進出経験を持ち、総合力では今大会でも頭一つ抜き出ていると評されるChance。試合前にChanceへのリスペクトを口にしていたMC知葉瑠だがバトル開始後は「HIP HOPに年齢なんてもんは関係ない!」と高速フロウで捲し立てる。一方Chanceは余裕のある流石のライミングスキル、対極なスタイルで刺し返す。ジャイアントキリングは流石に難しいか?と思われたがMC知葉瑠は持ち味の高速フロウからChanceのリズムに合わせるかのようにスタイルチェンジ。倍返しのような言葉選びで会場の流れは一気にMC知葉瑠へ。Chanceも安定感のあるラストバースではあったが、流れは取り戻せず。MC知葉瑠の勝利。中学生が優勝候補の一角を倒すという正に大番狂わせが起きる。これだからバトルは面白い!と言える好バトルであった。

 

 

2nd Round 第2試合 楓vs MC知葉瑠

05年世代の東海地区を代表するラッパー楓が一回戦をジャイアントキリングで勝ち抜いたMC知葉瑠を迎え撃つかのような構図になったこの試合。お互いをよく知る二人によるバトルはMC知葉瑠が持ち前の高速フロウだけではなく先輩である楓への想いを全てぶつける鬼気迫るようなパンチラインの連発。譲る気を一切感じない熱すぎるライムは会場を盛り上げる。対する楓はぶつけられた気持ちに全てハイレベルな刺し返し。ラッパーとしての生き方やHIPHOPカルチャーへの考え方、何がカッコイイことなのか?を一つ一つ丁寧に諭すようにラップしていた。超ハイレベルな言葉選びに会場は大盛り上がり。勝ったのは先輩の威厳を見せつけた楓。今大会は横の繋がりがあまり多くない大会と言われていたが、先輩後輩の魂のぶつけ合いは会場を大いに盛り上げた。

 

 

決勝 楓vsビシキマ

激闘を勝ち抜いてきた楓とここまで圧倒的な強さで勝ち上がってきたビシキマ。この試合で際立ったのはまず楓のパンチライの強さとライミング技術の高さ。今大会でも一試合ごとに成長し、決勝では最高峰のスキルを見せつけたといえるだろう。ただ、ビシキマの凄さはその試合巧者ぶり。先行のビシキマは「ネタ仕込み」と攻め立てるが、その度に楓は「本当にネタなんじゃないか?」と思われるほどハイレベルな返しを見せる。ハイレベルな返しをすればするほど際立つ「ネタ仕込み」のやり取りの中で中盤から後半、ビシキマのアンサーの返し方、韻の踏み方が会場の心を掴む。ラストバースまで息を呑む展開、一進一退のやりとりが続いたが、軍配が上がったのはビシキマ。甲乙つけ難いとは正にこの事で、間違いなく今回のベストバウトだったと言えよう。優勝したビシキマのラップは、大会を通してどの試合でもまるで本人の楽曲かのように聴きやすかったように思える。

 

 

 

印象的だった試合をいくつか上げさせて頂いたが、非常に見応えのあるバトルばかりであっという間にトーナメントが終わってしまったというのが正直な感想だ。ラップ経験のない筆者が総括をするのは心苦しい部分もあるが、正直信じられないほどハイレベルな大会だった。筆者が初めて生で見たバトルは2001年のB BOY PARKMCバトルだったが、中学生がファイナリストになるなんて考えられない時代だったように思う。あれから20年以上の月日が流れ、シーンは大きく育ち、そして進化した。

 

大会の最後には「第3回 激闘!ラップ甲子園」の開催も発表された。エントリーは昨夜より受付開始!

「第3回 激闘!ラップ甲子園」

決勝大会開催日:2023326()

会場:GORILLA HALL OSAKA

出場エントリー期間:2022912()1011()

エントリー詳細:https://www.gekira-entry.com

 

ここから、また新たな時代を切り拓くスターが生まれ、RAPバトルシーン、そしてHIPHOPシーンが次のステップへ進むことを切に願っている。

 

 

2回 激闘!ラップ甲子園 FINAL TOURNAMENT」の映像はこちら