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2022.12.07

ストリートの今と、この先の未来。DJ DARUMAと佐野玲於のカルチャー対談 Vol.3

ストリートの今と、この先の未来。DJ DARUMAと佐野玲於のカルチャー対談 Vol.3

DJ DARUMA


WEGO
の店内BGMのセレクトをプロデュースしているPKCZ®DJ DARUMAと、GENERATIONS from EXILE TRIBEのパフォーマーとして活躍する佐野玲於。ダンス、音楽、ファッションといったカルチャーを常に追い続け、自ら発信している2人が感じている、ここ最近のストリートカルチャーの現在の状況と、シーンの未来に期待することについて話を聞いてみよう。



DJ DARUMA(以下、D 玲於に音楽を教えて貰うこともあるんだよね。以前何を聴いているか聞いたら、Aminéのアルバムすごく格好よかったですよと言われたので、チェックしてみたら、確かにめちゃくちゃ良くて。僕とは20歳離れているので、普段何を聴いているのか気になるんですよ。

―玲於さんは、普段はどんな音楽を聴いているんですか?

佐野玲於(以下、R
 ダンスミュージックも聴くことが多いですね。だけど、俺らの世代がキャッチする音楽って、すごくいろいろなところにあり過ぎるじゃないですか。20年前の曲を、今の若い人たちが聴いたらフレッシュに感じるというのもそうだし。TikTokとかを見ていても、昔の曲を使っているのが多いですしね。

D そうそう。まさにTikTokは顕著に感じる。古いも新しいもないんですよね。だってうちの息子、小学4年なんですけどこの間リック・アストリーを聴いていましたからね(笑)。娘もオリジナル・ラブの「接吻」を聴き出したから、「なんで?」と聴いたら、「めっちゃ流行ってたよ」とか言っていて。

佐野玲於 DJ DARUMA



―時代を超えて人気が出るのは名曲という。

D
 そうなんですよね。例えばThe BeatnutsSe Acabo Remix feat. Method ManとかTikTokでめっちゃ流行ってたんですけど、なんでこのタイミングでそれ?みたいな。当時もそこまで注目された曲じゃないのに、よくわからないタイミングで、よくわからないものが流行る傾向にある。時代性がまったくないというのも面白いんですよ。

R 「これメソッド・マンの曲だよね」という会話にもならないですし。

D 断片的に入ってくるのが今の感じ。だから僕らの世代とは音楽の聴き方が全然違う。今じゃ、小学校低学年の子たちなんかはインターネットネイティブどころかサブスクネイティブだし、感覚はまったく違いますよね。インターネットなんてあるのが当たり前すぎだし。

―インターネットの普及によって過去から現在まで、更にいろいろなものごとをチョイスできるようになったので、これからどんなものが生まれてくるのか楽しみですよね。

D
 Y2Kがこのタイミングでできたのも、そのひとつですよね。なんとなく過去を見れば次に何がくるのか分かるのかなと思うけど、2000年頃は、80年代に人気だったブレイクダンスがめちゃくちゃ流行ったじゃないですか。それこそプロディジーの「Smack My Bitch Up」のジャケがブレイカーだったり。98年、99年くらいにビッグビートに合わせてブレイクダンスを踊っている人たちが増えてきたり。その時代が、今また注目されていて。今の玲於の世代、20代後半から30代くらいの東京の子たちはY2Kばかりを意識しているわけじゃないと思うけど、まあめちゃくちゃ格好いいですよね。自分をわかっている感じがいい。

DJ DARUMA



―玲於さんは同じ世代の方で、他のジャンルの人たちと交わることはありますか?

R
 DJ、ラップ、デザイン、映像、ファッションなど、自分たち世代のクリエイターや、ストリートでのいろいろな分野で活動をしている人たちがいますが、みんないろいろなことに興味を持っているというのが共通としてあります。それが分散化していないので、誰かがパーティーをやっていたら系統関係なく行くし、お互いきちんと認め合っていて、発信する人が見ているソースで面白いものがあれば共有する。ボーダーレスだけど共通認識が生まれるし、必ずなにかしら発見があるというか。最近いいなと思ったのが、とあるパーティーに行ったら、ダンスミュージックがかかっていてジェンダーレスな子たちとかがたくさんいたんですけど、はたまた別のパーティに行ったら、そのパーティにいたいい感じの子がまたいたりして、その感じがいいなと。

D 「あの子、あのパーティーにもいた!」 みたいな。僕らが27歳くらいのときは、何が好きなのかを情報によって決めすぎていたというか、己は何かというのを表現できていない人が多かったのかもしれない。もちろん好きなものはあるんだけど、降ってきた情報に対してストレートに受け取ったものが好きという。表現も直球でモノマネし過ぎていたりとか。全部受けたものをそのまま出しているというのがあったけど、今の子たちはかなり受けたものに対して「俺ならこうだな」というのをはっきり自分のカラーとして打ち出している子が多い。だから魅力的に見えるんだと思う。

佐野玲於



―レベルアップしているんですね。ストリート自体が。

D
 そうです。それにボーダレスになっているよね。ジェネレーションの壁が良い意味で壊れていると思うし、音楽に関しても新旧問わずいろいろ聴いているし。

R 幅が広いんですよ。90年代ヒップホップも好きだし、今流行りのヒップホップも好きだしで、かといってちゃんとメインストリームも好きだし。自分にもその感覚がありますね。

D なのでストリートは景気云々とかおいといて、街の子たちはマジでイカしています。

DJ DARUMA



R 今後は、ストリートカルチャーがもっと遊びっぽくなって、ダンス、ラップする子とか、DJ、スケーター、BMXなど、ストリートカルチャーの遊びが、さらに遊びとして流行っていったらいいなと思いますね。俺がダンスを始めたときって、ダンスをやっているって言いづらかったんです。ネガティブイメージがあって、子どもはダンスはダメみたいな。やらされているんじゃないかというイメージと、ダンスがマイノリティだっていうことと、格好つけることがダサいみたいな。そういう風潮があったんですよ(笑)。でも今はみんなSNSで、子供でもYouTuberになったり、自分を主張することが自然になっているので。俺の小学校の頃とは、今の子供たちは全然違いますね。

D 僕の子どもたちの周りを見てると、イキっていると見られるのがマジで嫌らしくて。「それイキっていると思われるから嫌だ」とよく言ってます(笑)

R マウンテンバイクに乗っているのはダサい、ママチャリにテニスボールを挟んで乗っている方が格好いい。立ち乗りできるやつがいいみたいな。

佐野玲於



D (笑)。それはかなりこじらせていないか? 格好つけている感じが、格好悪いということね。

R そういうことになりますね(笑)。

(終)

佐野玲於 DJ DARUMA





<プロフィール>
佐野玲於
1996年生まれ。愛知県出身。8歳の頃からダンスを始め、2012年に、GENERATIONS from EXILE TRIBEのパフォーマーとしてとしてメジャーデビュー。ダンサー、俳優として活躍中。

DJ DARUMA
1975年生まれ。東京都出身。DJ、ファッションデザイナー。90年代よりダンサーとして、2000年よりDJとして活動開始。現在は、PKCZ®のメンバーとして活動する他、DJとして数々の現場にて活躍中。



WEGO PLAYLIST selected by PKCZ®>
PKCZ®が全面プロデュースを手掛けるWEGOの店内BGMは毎月15日更新。セレクトされた楽曲は、全国のWEGO店頭のBGMとして聴けるほか、Spotifyでも過去のアーカイブから新作まで、全プレイリストを配信中。

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PKCZ




<佐野玲於×DJ DARUMA カルチャー対談>
■Y2Kリバイバルの時代がやってきた。DJ DARUMAと佐野玲於のカルチャー対談 Vol.1[記事を見る]
2000年代が熱い。映画『RIZE』がもたらしたこと。DJ DARUMAと佐野玲於のカルチャー対談 Vol.2[記事を見る]





Text/Kana Yoshioka

 

 

 

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